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sanpo@Spain

さくせん ▶︎いのちをだいじに

Day9 Buen Caminoという言葉

今日泊まったアルベルゲは、部屋の電気が7時に自動点灯し、なんだか強制的に起こされる。瞑想兄は不満そうだが、こちらはまぁ、起きていたので不自由はない。

 

いそいそと準備をし、瞑想兄に「先に行くね」と挨拶。再会を約束しながら、最後は「Buen Camino」という言葉でお互い締める。

 

このBuen Caminoという言葉は、巡礼者に向けてしばしば送られる。「サンティアゴまで良い旅を」という具合なのだが、言われると非常に心地よい。自分は巡礼者なんだ、と自覚させられ、且つ応援させているような気分になる。さらに、ドラクエで言うところの「神のご加護のあらんことを」みたいな福音にも感じられ、冒険気分も高まる。

 

街を歩いたり、バルでコーヒーを飲んでたりしても、時折「Buen Camino」と、声をかけてくれたりするが、概ねそういう人はニコニコしていて、こちらも気分が良くなる。今日もそんな人に出会った。

 

今日は雨もあまり降らず、かといって日も出ず、歩きやすい1日。残り100キロを切り、後半戦になったところで、あと4日間の計画を立てる。その結果、今日は34キロの長丁場を歩くことにした。しかも大きな街Lugoから、店がない小さな村を歩きついで行くため、栄養補給に計画性が必要となる。

 

Lugoを出て5時間。27キロくらいの辺りで、今日唯一見つけたバル。そこで遅めの昼ご飯を食べることにした。しかし、全く英語は通じない。何とか食事を出してもらうことに成功し、お肉と卵とジャガイモを食べた。

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一通り食べ終わったところで、「ゲソ、ゲソ」というので何事か??という顔をしていたら、中から出てきたのは、大きなカットのチーズ。

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あー!Quesosだったのか!なるほど!!
この辺りは酪農が盛んらしく、チーズが名産。きっとおいしいのだろうが、、、どうしてもこのチーズは食べられない。。。申し訳ない顔で謝る。

 

それでも、コーヒーのお代わりを勧めてくれたり、一本水をサービスしてくれたり、とすごく良くしてくれた。そしてその最後には、満面の笑みと「Buen Camino」の挨拶。とても元気の出る昼食となった。

 

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気分のいい午後のCamino

Night8 別れの夜

朝、一緒に出発した瞑想兄。前から足にできたマメが痛いと言っていたが本格的に痛くなったらしく、今日はゆっくり歩く、と言ってすぐに別れてしまった。多分到着は遅いだろうから、昨日のお礼に今晩は自分がインドカレーを作ろうかと考えていたものの、今夜の宿には鍋がなく、敢え無く断念。

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こういう宿のスタイルにもずいぶん慣れた。

 

自分は早々に宿に着き、シャワーを浴びて洗濯も済ませた頃、瞑想兄が足を引きずりながら到着。明日はもう1日この街で足を休め、それからゆっくり歩くことに決めた、とのこと。

 

お互いお腹も空いている、ということもあり、早々に近くのレストランへ。ヴィーガンの彼はいつも頼める料理が少ない。今日は野菜炒めみたいなものを食べていた。僕はピラフというか洋風チャーハンというか、とにかくご飯。おいしかった。

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大きな都市なのでおしゃれなレストランもある。

 

瞑想兄は小さな頃からピレネーを歩き、コロラドでは4000メートルの山にも登り、チベットも行っているものの、このCaminoは辛い、と言う。山登り自体はそれほどテクニックなど必要ないものの、朝から晩まで歩き、明日も歩き、ゴールはまだまだだいぶ先、、、という連続性が体力的にも精神的にも辛く感じるそうだ。

 

それでも、冬のCaminoで良かったね、という話をした。一般的には寒くて孤独、とネガティブな言われ方が多いものの、

 

  ・人が少ない分、宿も入りやすい

 

先日立ち寄ったレストランは、夏になると1日に80人の巡礼者がやってくる、と言っていた。この1週間、80人が泊まれる宿は見たことがない。そしてそれだけ混むと、シャワーや洗濯も待ち時間が長くなるだろう。

 

   ・虫がいない

 

詳しくは分からないが、これだけの自然の中を歩くのだとすると、夏は虫が多いはず。お世辞にも衛生的とは言えない宿にも虫が多くなるはず。

 

   ・臭いが少ない

 

牧場の周りを歩くことが多いので、糞の臭いは歩く間、きつく臭ってくる。それでも冬である。夏の時期は正直しんどいだろう。また、宿も臭いが篭り、臭くなってしまうだろう。

 

たぶん今夜でお別れだね、と言いながら、日本のお遍路の話になり、最後はいかにCaminoの道に糞がいかに多いかで盛り上がる。4日間一緒に過ごしただけに、少し寂しい別れの夜となった。

 

 

Day8 番犬

父親にうなぎを買ってきて、と頼まれる夢を見て、目が覚めた。目が覚めて、あぁ、今スペインだった、と思い出す。

 

朝9時に出発。今日は足が快調だ。始め1時間は登りの道であるものの、あとはほぼフラットな道。雨は降っているが、気になるほどではない。つまり、快調。足は快調なれど、携帯電話とバッテリーは冬眠に入った。日本も寒いと聞くが、スペインも寒い。

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今日も牧場の中を歩き続ける。スペインを歩いていて、牛と馬と羊と鶏を多く見た。それから、犬。北スペインに牧場が多いことも関係あるのか、ほぼ全ての犬が優秀な番犬。とても責任感が強く、家の敷地に近づく僕をワンワンと吠えて、家を通り過ぎた瞬間に静かになる。写真でも撮ろうしようものなら、家の中から飼い主が出てくるんじゃないか、というくらいの勢いで吠え出す。なので、彼ら彼女らの勇姿を撮ることはできない。

 

そんな中、今日見た番犬はなかなか珍しく、屋根の上で見張っていた。人が近付くと、屋根から塀を伝い、近くに寄って吠える。地面に降りることもできるようなので、好きこのんで屋根の上にいるようだ。

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この屋根の上の番犬の向かいに、無人の休憩所があり、そこでランチ。自販機に、生ハムのサンドイッチがあり、どんなものかと思いながら購入。2ユーロ。

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ご丁寧にトースターもあったので、そこでしっかり温める。思ったより、だいぶおいしい! 生ハムなので塩味もあって、温かさに癒される。これ、悪くないなぁ。

 

今は当たり前のように見ているドラクエのような風景。しかし東京に帰ったら、ずいぶん遠い世界にいたんだな、と思うのかもしれない。今の内にちゃんと目に焼き付けておかないと、もったいない。

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そして今日の目的地は、城壁に囲まれた都市Lugo。

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エルサレムかトレドのような街並みかと思いきや、城壁の中は広いものの、普通の街並み。ただ、城壁の上を歩いてみると、なかなか見ることのない屋根風景。

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やっぱり珍しいところに来たものだ。

Night7 慣れてきた実感

朝からの雪も、今日の宿に着く頃には上がり、空には虹がかかっていた。なんとなく、今日の努力が祝福された気になる。

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早く着いたこともあり、散歩がてら村のバルに出かけ、今日一杯目のカフェコンレチェ。おやつにチュロスももらった。塩味もありつつ、ザラつくグラニュー糖が疲れを癒してくれる。

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連日北スペインの山間の歩いているが、どんな街にもバルがあって、朝から晩まで社交場のように人が入れ替わる。ちょうど人がいなくなった、この窓際の席がこの店の人気だ。

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今夜は瞑想兄が食事を作ってくれるというので、お願いすることにした。外で食べるのもいいけれど、ヴィーガン主義のスペイン人に作ってもらう、こういうのも得難い。というか、一回り年下の瞑想兄に頼りっぱなしだ。何か役に立ちたいところ。。。

 

宿は相変わらずのドミトリータイプ。きれいで暖かいが、若干ニオイの残る部屋。シーツみたいなものは支給されず、このまま寝袋で寝る。

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日本を発つ前は、ちゃんと寝られるか心配だったけれど、連日しっかり寝ている。色々なことにちゃんと順応しているようだ。

 

Day7 ローカルルール

今いるFonsagradaの街は、この数日間で一番大きな街。銀行もあるので、少しだけATMで現金を増やす。適当にやってみたけど、なんとかなるものだ。

 

今朝は雪。iPhoneの表示によると、着氷性の雨、という見たことない表記。ベチャベチャしたみぞれ、みたいなものか。

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雪の中、今日も山の中を歩く。瞑想兄さんとは今日も一緒。2人いると、確かに孤独ではない。

 

昨日ガリシア州に入ったのだが、アストゥリアス州ガリシア州で大きな違いがあることに気付く。

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これがアストゥリアス州にある道しるべ。貝殻のくっついている側が進行方向となる。

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一方、これがガリシア州の道しるべ。貝殻の開く方が進行方向となる。つまりこの2枚の写真は、いずれも同じ右側が進行方向となる。最初はそのことに気付かず、突然逆の方向を指示されてびっくりした。

 

歴史的に北スペインは自治の意識が高い。バスクガリシアでは使われる言語も異なる。Caminoの地図も、自分の州のことしか書かなかったりする。そういった事情もあり、この道しるべのルールも、統一されないのかもしれない。

 

今日も大雪。景観がいいルートのはずだけど、見えるのは白い雪ばかり。

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ただ、山を歩くのもあと数日。そう思うと、やや寂しくもなる。一歩一歩踏みしめながら、歩きを進める。

 

今日は昼を食べる店もなく、またまた板チョコがお昼代わり。多いと思ったチョコもなくなりそうだ。

 

今日の目的地までは24キロ程度。距離は短めである。もう少し歩けそうではあるものの、先まで歩いても宿がないので、キリのいいところである、O cadovoで終了。半分を過ぎて、ゴールまでの計画も立ち、少し余裕が出てきた。無理して早くゴールする必要もない。気長に満喫したいと思う。

Night6 タコの本場

この旅では、アルベルゲと呼ばれる巡礼者向けの宿に泊まっているが、アルベルゲには、公営のものと、民営のものがあり、公営の方が安く(5ユーロ)、民営の方が高く(10ユーロ)設備が良くなる。

 

とはいえ、オフシーズンということもあり選べるほど数もなく、泊まれる所に泊まる、ということになる。そんな中、今日は評判のいい民営アルベルゲに泊まろうと、日本にいる時から目をつけていたところに向かった。

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おお! 確かに広いしきれい! バスルームも複数あるし、洗濯機も充実! これは評判いいはずだ。

 

シャワーを浴びる準備をしていると、瞑想兄も到着。結局、瞑想弟は乗る予定だったバスが来ず、両親が迎えにくることになったらしい。。。バス、どこ行った? なお、迎えにきたその両親は、車道を歩く僕を、車の中から見かけていたそうだ。なんだか一家全員に面通しが終わったような気分にさせられた。

 

大雪の中を歩いてきたお互いの健闘を称え合い、シャワーを浴びたり、洗濯したり。今日は早い時間に着いたこともあり、のんびりしている。

 

今日からガリシア州に入った。ガリシア州の名物と言えばタコタコガリシア風、という料理が日本のスペイン料理屋にもある。ベジタリアンの瞑想兄から、名物だから食べに行こうよ、と誘われ、レストランへ。ベジタリアンだけどタコはいいのか、と聞くと、自分は食べない、と。どうやら僕に食べさせたいらしい。瞑想ブラザーズは、ベジタリアンの中でもヴィーガンらしく、卵も牛乳も摂らないそうだ。

 

一緒にベジスープを食べた後、やってきた山盛りのタコ

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うん! 柔らかくておいしい! 日本で売ってるものよりずいぶんと厚く切られている。しかし、一人前でこの量か。。。すごいな。タコでお腹一杯になる日が来るなんて想像していなかった。

 

今日の話はインドとチベット仏教がメイン。ちょっと自分のボキャブラリーの限界を超えている。瞑想兄はかつてチベットに行き、チベット仏教に傾倒することになったそうだ。難しい話はさておき、インドカレーおいしいよね、と新しい共通言語ができた。

 

何だかんだで3泊連続で一緒になっている。不思議な感覚だなぁ。

 

半分まで来た段階で、明日からの後半戦は前半に比べ計算が立つことに気付く。特に明日は距離も短く、上りも少ないので少し楽かも。ただ、今夜中降り続く雪が、積もってないならいいんだけど。。。

 

 

Day6 ギブアップも大事

こっちの天気予報は割と正確に当ててくる。今日の予報は雪。山越えを控えた今日、雪は嫌だなぁ。

 

朝はとにかく何かをお腹に詰めることに決めた。カフェコンレチェと、パン。こっちのパンは堅いことがほとんど。歯を悪くしたら大変だ。

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朝9時に出発。なんとかお昼過ぎにはピークを越したい。昨日からのカーボチャージのおかげで、足取りは順調。昨日まで気になっていたくるぶしの痛みも今日はない。

 

雪もまだ降っていない、、、と思った瞬間に雨が雪に変わる。最初はチラチラと、、、次第に吹雪いてきた。山道での雪はしんどい。雪は全てを隠し始める。

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歩く上で何より大事な道しるべすらも、横殴りの雪で隠れ始めてきた。なお、石の道しるべだけでなく、岩や木にペイントされた矢印も生命線だが、それはもう既に雪の下に隠れてしまっている。

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これが見えなくなると、とてもじゃないが歩けない。また迷子になってしまう。

 

そして、現れた墓標の十字架。。。ここで亡くなった人もいるのだろうか。

 

今日はここでギブアップを決めた。山越えのピークまでは山道で来たものの、ここからの下りは車道を歩くことにした。車道は、邪道で、遠回りかもしれないけれど、確実に目的地まで連れて行ってくれる。

 

前から吹き付ける雪は、何よりも視界を狭め、周りを見て歩く余裕を奪っていく。この状況では、何も考えずに歩ける車道はむしろ安全だろう。もし行き倒れても、車が見つけてくれるはず。。。

 

ただし、スペインの車道は、歩行者にあまり気をつけてくれないので、しっかりと端っこを歩かないと別の意味で危険だ。

 

車道を歩いていると、食堂が目に入った。人も入っているし、ちょうどお腹もすいた。目的地までもあと6キロ。これもまた出会い。たまにはゆっくり食事をしよう。

 

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これが大正解! どの料理もおいしかった! デザートと飲み物、コーヒーもついて9ユーロ。これはお値打ちだ。もし近くに来る用事があれば、ぜひまた行きたい。

http://catroventos.es

 

雪だらけになりながら、今日の目的地、fonsagradaに到着。旅もそろそろ半分に到達。いよいよアストゥリアス州から、ガリシア州に入った。