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sanpo@Spain

さくせん ▶︎いのちをだいじに

Night12 惜別の祝杯

縁とは不思議なもので。
3日間で6回も遭遇したベシベシおじさん。なんと、夕飯を食べに街に出たら、また向こうから歩いてきた! 抱き合ってベシベシし合う。これで7回目の遭遇。なんだか不思議だ。彼はこれからミサに行くと言う。自分は朝に行ったよ、と伝えお別れ。本当に不思議だ。

 

今夜は祝杯!
まずはtripadvisorで評判の良かった、入り口の暗いシーフードレストランへ。

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ガリシア名物のムール貝タコ

 

それから店を変え、同じく評判のいいバルへ。

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ここはお通しのスパニッシュオムレツが評判。周りを見ても飲み物とこのオムレツしかテーブルにない。これで1.8ユーロ。安いなぁ。

締めは、ホテルの近くでいつものスープ。

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食べ納めだと思うとさみしい。このジャガイモとインゲン豆の入ったガリシア風スープ、1週間で5回食べた。思い出の味。

 

自分はクリスチャンではないけれど、この巡礼では、宗教的な意味合いを持って歩いていた。歩くのを始めたオビエドは、かつてレコンキスタが起こった都市。このオビエドから始まるCamino Primitivoはその名の通り、最初のCaminoである(なお、スペイン国内には57のCaminoがある!)。かつて、サンティアゴを目指し、当時の国王が歩いた道。トレッキングの要素が強いCaminoであるが、やはり道自体が"霊験あらたか"な道である、と信じたい。

 

今日のミサで近くに座ったイギリス人男性と少し話した。彼は普段、大英博物館でエジプトの研究をしているのだが、毎年ボランティアでサンティアゴに来て巡礼者の世話をすると言う。彼自身、10回Caminoを歩いたそうだが、その中で知り合った日本人女性とイタリア人男性を引き合わせたところ、2人は恋に落ち、今はイタリアで暮らしているらしい。

 

ホテルにチェックインし、道中で一緒になった瞑想兄にFacebookで、今日無事に着いたよ、と報告すると、彼は1日休んで復活し、明日サンティアゴに到着する見込みだ、と返事があった。

 

実は旅に出る前は"出会い"に期待はしていなかった。1人で完結できると思っていた。それが、当たり前のことであるが、1人では何も出来ないことに気付かされ、仲間と過ごす時間の大切さを改めて知った。なんて、最後に少ししんみりとした気分。。。

 

たった12日間、されど12日間。とにかく、いい体験を与えてもらえました! 10日ぶりのビールは、旅の終わりのさみしさもあり、予想以上に身体に染みます。

 

おしまい

Day12 最後の5キロ

昨夜はジョンさんの激しいイビキに驚きつつも、自分も疲れが溜まっているのか、バタンキューで寝てしまった。

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朝ごはん。オレンジは今日もおいしい。

スーさん、ジョンさんも揃って、それぞれ朝ごはん。夕飯を食べ損ねたスーさんは、朝からカップラーメンを食べている。

 

ジョンさんとスーさんは「フランス人の道」を歩いてきたとのこと。雪大丈夫だったか聞くと、2人とも雪って何?みたいな反応。どうやら雪で大変だったのはCamino Primitivoだけらしい。雨もほとんどなかったらしく、同じCaminoでもずいぶんと違うものだ。

 

日が出てくるまで出発を待とうとしていたら、警備の人に8時過ぎてるよ、と追い出された。ガリシア州のアルベルゲは全体的に時間に厳しい。

 

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今日も朝焼けがきれい。しかしながらずいぶんと寒い。足元の草に霜が降りていた。

 

サンティアゴまでは5キロ。1時間ほどで着いてしまう。少しずつ車が増え、ロードサイドに店が増え、街に入ったと思い知らされる。

 

途中、ジョンさんに会う。これが3回目のCaminoだというジョンさんから、12時から大聖堂で巡礼者のための礼拝があることを聞き、せっかくなので行ってみようと思った。

 

あっという間にサンティアゴデコンポステーラに到着。バチカンエルサレムと並ぶキリスト教の三大聖地の1つと言われる。どんなところなのか。

(三大○○は日本人が好んで使う、と聞く。確かに日本人は結構多く見かけた。かくいう自分も、これでキリスト教の三大聖地には全て行ったことになる)

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ここがCaminoの終点。目を上げると、そこには大聖堂!

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工事中の門。正面からは入れず、横の入り口から入ることになる。

 

礼拝に参加したものの、スペイン語の説教は何を言ってるか分からない。この旅を通して、スペイン語を少しでも分かるようにしておけば良かったと痛感した。

 

その後、巡礼者向けの事務所に行き、巡礼証明書を発行してもらう。証明書の発行のためには、ここまで溜めてきたスタンプが必要となる。

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たかが書面、とは言えなかなか感慨深い。

 

これにて、僕のCaminoは終了となる。ジョンさんにお礼を伝え、別れの挨拶を済ませる。すると、遠くから、オーイ、と聞こえる。振り返るとそこには、この3日間で6回もすれ違ったおじさん。名前も知らないが、会う度に肩をベシベシ叩いてくる陽気なおじさん。泊まっている場所も違うのに、まさか3日連続で会うなんて。。。不思議な運命だ。

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ベシベシおじさんの背中。

 

あっという間の12日間だった。12日間も経っていることが信じられない。もう牧草が発酵する酸っぱい臭いや、アルベルゲに到着して扉を開ける瞬間の何とも言えない緊張感、雨でずぶ濡れになりながら入ったバルで飲んだカフェコンレチェの味が懐かしく感じる。毎日何が起こるのか予想が付かなくて、月並みな言い方だけど、とてもドキドキする12日間だった。

 

さぁ、今夜は祝杯だ!何を肴にビールを飲むかな!

Night11 サンティアゴの日は暮れて

今夜は最後の公営アルベルゲ。なんと340人収容可能という巨大な宿。そこに今夜はたったの3人のみで宿泊。韓国から来たスーさん。スペイン人のジョンさん。そして私。スーさん、5時半から寝始めた。早い。。。

 

今日この宿に泊まった最大の理由は、丘の上からの夕焼け。今夜はこれを見ずには寝られない。バルでノンアルコールビールを飲んで時間を潰しつつ、丘の上で夕焼けを待つ。。。が、風が強くてとんでもなく寒い! ダウンの上にフリースも着込み、ズボンも2枚重ねで臨む。

 

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 そしてやってきた日の入りのタイミング。今日の快晴にふさわしい夕焼けとなりました。

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これがiPhoneカメラの限界か。。。実際は山の稜線が朧に見えて、本当にきれいだった。

 

はるばるスペインの端っこまで来て、2週間近く歩いて、明日の大聖堂の訪問を前に、Caminoに来て良かったな、としみじみ実感。それから、会社を辞めることにして初めて得られた長い休みを、僕の好きなように使いなよ、と快くこの巡礼の旅に送り出してくれた妻に、心から感謝。

 

明日で巡礼の旅は最後。今夜は何を食べようか。清々しい気持ちで、ジョンさんをバル兼スーパーに誘ってみる。ジョンさん、英語が苦手でカタコト。google翻訳でこちらに知らせてくる。店に入って曰く「わたし、お腹の調子悪くて、胃に優しいものしか食べられない」と。。。お、おぅ。じゃあ作るか、となったら「わたし、作れない。あなた、作る」みたいなやり取り。ま、いいか。赤ピーマンを入れたトマトソースのパスタなら大丈夫だろう、と材料を買い、宿のキッチンで作ることに。

使い慣れないキッチンながら、それなりにできた!

 

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ジョンさん、ピーマン残してる。。。ピーマンもダメなのかい!! 言ってよ!

 

その後、「カモミール飲まない?」と誘われ、お茶しながらお互いのカタコトトーク。神道仏教の違いとか、神道的にスペインの巡礼に行くってどうなの?とか、神道ってドラゴンいるの?とか、そういう話になった。よく海外に行って、日本のことをもっと知らなきゃいけない、と思うのはこういう時なのかと思った。

あと、ジョンさんは今日僕を見かけてつい後を追って歩いている内に、泊まる予定の村を過ぎてしまったらしい。若干僕のせい?みたいになって、なんとも言えない切ない気持ちになった。

 

今日も不思議な夜。そして22時を過ぎても、スーさんは結局起きてこなかった。。。

Day11 ゴール目前

昨晩はなかなか寝付けなかった。もうすぐゴールだと、興奮なのか緊張なのかしているのか。服を一枚脱いで、リラックスしてようやく落ち着いた。暑かっただけ、かもしれない。

今日は35キロ歩く予定なので、しっかりと朝ごはん。オレンジ2つとヨーグルト、カフェコンレチェとチュロス。なんとも健康的な朝ごはん。

 

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見事な朝焼け。結局このまま一日中快晴だった。

 

これまでより標高が低いからか、牧場は減り、この旅で初めての畑を抜けて行く。日本の里山とそうそう変わらない風景。毎日顔を見て、孤独を癒すために話しかけていた牛さんたちともいよいよお別れだ。モゥ〜、と言ったら、モゥ〜と返してくれた。いよいよ会話できるようになったらしい。

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今度は羊さんがメェ〜というので、メェ〜と返したら、なんとメェとさらに返ってきた。どうやら羊もいける。

 

快晴の里山を歩いていると、数日前に山で迷子になり、吹雪の中をうつむきながら歩いていたのが嘘のよう。

 

とにかく、大きな怪我なくここまで来られて良かった。遭難時に出来た脛の擦り傷や足の甲の筋肉痛などあるが、大したことはない。なぜか毎日鼻水が止まらないが、まさかここで花粉症を発症?! いやいやそんなはずはない。。。それから、連日「パンが硬いなぁ」と思いながら食べていたら、とうとう前歯の差し歯が取れた。帰国したらまずは歯医者だ。

 

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道路の標識にもSantiagoの文字。いよいよゴールが近付いてきた。歩く速度もついつい早まる。

 

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 しばしば見かけるこの野菜。一体何だろう。ニョキニョキしている葉っぱ。おいしいのかなぁ。

 

今日はゴールのSantiagoまであと5キロの地点Monte do Gozoが目的地。丘の上から夕焼けのSantiagoを見たい、そう思い、目的地を決めた。35キロは短くない距離だが、そう辛くもない。早くゴールしたいような、終わりが寂しいような、そんな気分だ。

Night10 宿選びは直感で

今夜は洗濯したい。この街には評判のいい公営の宿もあるが、公営はそれなりに混んでいるだろう。洗濯機が使えなかったり、明日に備えて気を使う、という事態もできれば避けたい。

 

ということで、民営の宿で良さそうなところを探す。ネットで評判の一番いいところは休み。うーん。あとは似たり寄ったり。写真を見て良さそう所を決めよう。

 

良さそうなところに電話すると、英語が通じない。が、空いているという。ではそこにしよう。もう直感だ、直感。

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行くと期待通りの貸切状態。

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一番奥の荷物が置いてあるのが自分のポジション。なんとなく、いつも端っこを選んでしまう。

 

wifiも使える。シャワーもトイレもきれい。もちろん洗濯機もある。さらには閑散期というで8ユーロでいい、という。ここで良かった!

 

シャワーを浴び、洗濯を済ませ、散歩を兼ねて買い物へ。スーパーでオレンジを買う。スペインのオレンジは本当においしい。アルベルゲのいいところは、キッチンがあって、ナイフが使えるところだ。3つ買って、明日の朝も食べよう。

 

食事もせっかくなら、とトリップアドバイザーで評判のいいところに出掛けてみるものの、1位も2位も3位の店も休み。なんということだ。結局唯一空いていた近くのレストランで食事。残り物にも福があるもので、結構おいしかった。

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サンティアゴケーキというケーキ。アーモンドプードルに、オレンジの香り。しっとりとしていて、、、甘い。

 

これでエネルギー補給も完了! 明日の歩きも頑張るぞ!

Day10 足踏み

何もない宿にも自販機はある。コーヒーを買い、優雅(?)に朝ごはんの最中に、宿の管理人登場。朝の挨拶を済ますと、「もう8時だ、出て行け」との宣告。いや、確かにそう書いてあるけど、外真っ暗だし。。。怒られるのは嫌なので、そそくさと準備し、8時半には出る態勢に。念のため別れの挨拶をすると、「君はサンティアゴの先に本当のゴールがあることを知っているか」と聞かれ、「ほへ?」という顔で返す。ふと、サンティアゴから西へさらに進んだFisterraのことか、と分かる。かつて、地球が球体ではなく、フラットな世界だと思われていた時代に、"地の果て"と言われたところ。そこに行くことが本当のゴール、という説があることは知っている。そう話すと、「そこもいいが、そこではない。」と、おもむろにメモを始める。

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San Andrés Teixidoと書いてある。ここに行くと、世界が変わる、自分が生まれ変わる、と教えてくれた。ここは初耳だ。フムフム。

 

行ってみたいが、さすがにその時間は今回なさそうだ。いつか行ける日まで、覚えておこう!

 

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朝靄の中、今日も歩く。

 

Camino最大派閥「フランス人の道」との合流地点Melideに到着。本当はここで昼ご飯を食べたかったが、思いもかけず早く着いてしまい、まだランチには早いとのこと。コーヒーだけ飲んで先に進む。

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Melideを過ぎて、確かに人は増えた。とはいえ、今日1日歩いて6人。まぁ、この10日間で瞑想ブラザーズを含めて3人しか会っていないことを思えば、増えたは増えた。

 

ただし、大きく変わったのは、ゴールが近付きテンションが上がるのか、落書きが増えること。

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ここまで、この道しるべが命綱と言っても過言ではなかった中、この道しるべへの落書きを見る度にがっかりしてしまう。どうしてこうなるのか。

 

サンティアゴまで残り50キロを切り、いよいよゴールが近付く。今日出来るだけ長く歩いて、明日はゴールから5キロ手前の丘で寝て、朝日に照らされるサンティアゴを見る、という計画を立てながら歩く。

 

途中の街、Azruaにてランチ。もう14時過ぎなので宿を押さえておかないと、と店のwifiにつなぎ、今日の目的地にある宿へ電話、、、すると、なんと今日は休みだという。その近辺の宿に電話してみるも、軒並み休み。どうなってるんだ! さすがにそれ以上先には行けない。

 

幸いこの地には、たくさんのアルベルゲがある。

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これでも一部のみ。。。

今日はこの街に泊まり、明日また頑張ろう。

 

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こんなにいい天気なのに、まだ日も高いのに、歩けないなんて。。。これもまた運命。

 

Night9 Nothing, but...

今日の目的地はAs Seixas。何もない村。建物自体かろうじて何軒かある程度。バルもレストランもスーパーもない。宿に着いた瞬間に、寝るだけだけどいいか、と念を押される。こちら、承知の上。このこともあり、お昼は何としてもしっかり食べておきたかったわけだ。

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部屋の窓より。羊さんとこんにちは。

 

何もない村ではあるが、今日は久しぶりに雨が上がり、晴れ間が出てきた。その結果、スペインに来て1番の夕焼けに出会った。

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夕日を背にすると、今度は巨大な虹が! 

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今日の宿は久しぶりの貸切状態。1人でのんびり、、、するしかない。自販機はあるので、久しぶりにビールを飲むか、ビールはサンティアゴに着いてからにするか、、、と、そんなことをひたすら悶々と悩む。

 

明日Melideという街で、一番人気のCaminoである、「フランス人の道」を歩いて来た巡礼者たちと合流し、サンティアゴを目指す。これまでのPrimitivoと違って、道中や宿で人が増えるはず。最後の静かな夜を、何もない村で1人過ごすのは、悪くない選択肢だ。